男性の性器ヘルペス
目次
再発予防
再発の約80%に、腰痛、下肢のしびれなどの再発の前駆症状がみられます。したがって、再発予防の一つには、前駆症状が現れたとき速やかに抗ウイルス薬投与を行うことが考えられますが、前駆症状がない場合もあり失敗する可能性もあります。そのため、頻回に再発を繰り返す場合、再発抑制のための継続投薬すなわち抑制療法が行われます。
予後
現在の医学では、一度潜伏感染したウイルスを除去することはできません。したがって、一応治癒しても再発が繰り返します。
再発は、疲労、精神的ストレス、性交、飲酒、時差などをきっかけに起きます。初感染後、同じ仙髄神経節領域の臀部、まれには足底に再発する事もあります。
また、ヘルペス病巣がある場合、他の性感染症に罹患しやすくなります。
再発型性器ヘルペスの治療
軽症の場合には、抗ウイルス薬軟膏の塗布または貼付で行われます。中等症以上では、内服による投与が病変が乾燥化するまで行われます
免疫不全者の場合は、耐性株の出現を予防するため十分量の抗ウイルス薬の投与が行われます。
アシクロビル耐性株の場合は、ビダラビン、フォスカーネットの点滴静注を行います。
初感染性器ヘルペスの治療
治療は抗ウイルス薬(アシクロビル)の投与で行われます。初感染の場合、軽症の場合は内服で7-10日間投与されます。
一方、重症および免疫不全者の場合には、播種性感染、肺炎、肝炎、脳髄膜炎を合併することがあり、このような場合には入院による治療が行われます。抗ウイルス薬投与は、点滴による投与を病状が改善するまで行います。
診断
感染機会があること、および外性器の臨床症状と病変部のからの単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原の検出により確定診断は行われます。
HSV抗原の検出は、ギムザ染色による顕微鏡検査、特異抗体によるウイルス抗原の検出、ウイルス核酸検査、ウイルス分離、血清学的検査によって行われます。ウイルス核酸検査、ウイルス分離が感度および特異性の高いものですが、保険適用外です。
再発型の症状
再発型の場合、男性では亀頭を除く陰茎部に好発し、一般には症状は軽く、皮疹も限局性に発症します。4日-2週間で治癒します。腰痛、下肢のしびれ感など再発の前駆症状が数日前より起こります。
また、性器ヘルペスで初感染後、同じ仙髄神経節領域の臀部、まれには足底に再発型として発症する事もあります。
初感染型の症状
感染後2−10日に軽いかゆみを感じることからはじまり、次第に痛みが増してきます。
男性では亀頭、陰茎、陰嚢部、恥丘部、会陰部、肛門周囲に小水疱が多発し、浮腫性の腫脹が認められます。小水疱はすみやかにびらんになり、癒合し不規則な形を呈します。病変辺縁部では、皮疹が存在します。さらに、リンパ節の腫脹、排尿時の痛みや排尿困難を伴います。
潰瘍は2-6週間で自然治癒します。1型感染の方が、2型感染より重症になります。
ごくまれに、項部硬直、羞明、頭痛が生じ、無菌性髄膜炎を起こすことや、ウイルス血症を生じ全身感染を起こすことがあります。これらは免疫不全者に多く認められます。
性器ヘルペスウイルス感染症の分類
単純ヘルペスウイルスherpes simplex virusは腰仙髄神経節に潜伏感染し、潜伏感染したウイルスが再活性化することが多くあります。
そのため臨床的には初感染性器ヘルペス、潜伏ウイルスの再活性化による再発型性器ヘルペス、免疫抑制剤の使用などにより免疫抑制状態になったとき潜伏ウイルスの再活性化により初めて病変が生じる非初感染性初発型(誘発型)性器ヘルペスに分類されます。
ヘルペスウイルスの感染
単純ヘルペスウイルス(HSV)は感染後、感染部位の末梢神経から侵入して、腰仙髄神経節に潜伏感染します。潜伏感染したHSVは何らかの誘因によって再活性化し、神経を通って粘膜や皮膚に達し、その部位に病変を形成します。そのため再発がよく見られます。
一方、無症候性ウイルス排泄者がかなりいると推定され、特に初感染後3ヶ月間が最も無症候性のウイルス排泄が多いとされています。
男性の性器ヘルペスウイルス感染症
性器ヘルペスは、主に性行為または類似の行為で感染する性感染症の一つで、性器への単純ヘルペスウイルスherpes simplex virus(HSV)1型または2型の感染により、外陰部に小水疱、びらんを形成する疾患です。