小児科領域の性感染症
目次
小児科領域の性感染症診断の問題点
一般に、小児患者より正確な情報を得ることは困難であり、親、特に母親からの問診が重要になります。
一方、小児の泌尿生殖器系の診察に習熟していない医師の場合、正常所見と異常所見の区別がつけにくいことがあります。
検査と診断
思春期前の小児でも、性器、肛門、会陰部の潰瘍など性感染症の徴候を示す場合、あるいは性的虐待の可能性がある場合には性感染症の可能性を考え、適切に検査を行う必要があります。これらの児の場合、複数の性感染症に同時に罹患していることも多いため、種々の微生物について検索することが必要です。
また小児における検査は、成人と同様の局所からの検体採取は困難なことが多く、それに代わるなるべく非侵襲な方法で行われます。
性感染症原因微生物の垂直感染による小児感染症
性感染症原因微生物の垂直感染による小児感染症は子宮内感染、産道感染あるいは経母乳感染によって生じます。母親の感染に伴う出生児にみられる主な症状は次のとおりです。
カンジダ:鵞口創、皮膚炎
クラミジア:封入体結膜炎、肺炎
サイトメガロウイルス:サイトメガロウイルス先天感染
B型肝炎ウイルス:慢性肝炎
単純ヘルペスウイルス:中枢神経系感染、播種性感染、流産、早産
HIV:エイズ
淋菌:結膜炎、関節炎、敗血症、髄膜炎、早産
梅毒:死産、未熟児、先天梅毒、乳児梅毒
パピローマウイルス(尖形コンジローム):気道などの乳頭腫
小児科領域の性感染症の現状と特徴
小児科では一般に15歳以下が対象となります。そのため小児科領域での性感染症は、垂直感染(母子感染)に伴う新生児・乳児期における感染、性的虐待に伴う感染、小中学生の性行為に伴う感染に分類されます。
性的虐待に伴う感染や、性行為に伴う感染はその発生頻度は低いですが、検査や治療に特別の配慮が必要です。