皮膚科領域の性感染症
目次
検査方法
病原体検査の検査方法としては、顕微鏡検査、病原体抗原の検出、血清検査、病原体核酸診断、培養検査、生検などがあります。
診断は、問診、視診による粘膜皮膚所見、およびリンパ節腫脹の有無、帯下(膣の分泌物)の状態、尿道分泌物の観察などと、病原体検査により行われます。
全身性発疹が出現する性感染症
全身性発疹が出現する性感染症は、第2期梅毒(梅毒バラ疹、丘疹性梅毒疹)、B型肝炎、C型肝炎、サイトメガロウイルス、EBウイルス、HIVの初感染などです。
初感染時のB型肝炎、C型肝炎では蕁麻疹様血管炎、小児ではGiannoti-Crosti症候群が起こります。サイトメガロウイルス、EBウイルスでは、伝染性単核症様症状がみられることがあり、急性HIV感染症では、他のウイルス性発疹に酷似した発疹がみられることがあります。
外陰部の隆起性病変が認められる性感染症
外陰部の性器の隆起性病変が認められる疾患には、梅毒(初期硬結、乾癬性梅毒、扁平コンジローム)、尖形コンジローム、疥癬、性器伝染性軟属腫などがあります。
疥癬は疥癬虫によりヒトの皮膚同士、または寝具を介して感染するので、性交以外でも感染し、家族内感染も認められます。疥癬は激しい痒みを伴いますが、その他の疾患はほとんど自覚症状がありません。
しばしば尖形コンジロームと合併するボーエン様丘疹症では、外陰部に黒褐色の丘疹、斑が多発します。最近増加する傾向にあり、自然消退することもありますが、一部は浸潤癌に移行することもあります。
外陰部潰瘍性病変が認められる性感染症
外陰部潰瘍性病変が認められる性感染症としては、梅毒(硬性下疳)、性器ヘルペス、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫症、鼠径肉芽腫症があります。一方、外陰部に潰瘍を形成する疾患には、ベーチェット病、帯状疱疹などいろいろな疾患があり、これらとの鑑別診断が必要です。
皮膚科領域の性感染症の症状
皮膚科領域の性感染症の症状は大きく分けて、外陰部など感染部位にみられる皮膚粘膜病変と、感染後の全身感染あるいは全身感染に対する免疫応答の結果として見られる全身性皮膚症状に分類できます。
皮膚科領域の性感染症
皮膚科領域で扱う性感染症の主なものとしては、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫症、性器ヘルペス、尖形コンジローム、ポーエン様丘疹症、性器伝搬性軟属腫、疥癬、ケジラミ症などがありますが、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫症は現在日本では稀な疾患となっています。
また皮膚科領域で認められるHIVとしては、他の感染症で受診した患者の中から新たにHIV感染が発見される例がみられます。